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マガジンWALKERで読める百合漫画

(2018年2月時点でのまとめ)

magazinewalker.jp

▽マガジンWALKER公式Twitterアカウントが常時エゴサをしているらしく、Twitter上で迂闊にマガジンWALKERを褒めるとlikeを飛ばしてくるのでTwitterでマガジンWALKERの話をするのは控えていた。

▽でもTLにマガジンWALKERの加入者は増えて欲しい。百合漫画最新話の話がしてえ。なのでマガジンWALKERで読める百合漫画をまとめて皆さんの加入意欲を促進します。

▽なぜ今やるかというと、数ある百合漫画の中で恐らくは最大数の読者を獲得している『やがて君になる』の、先日発売された最新5巻(28話迄収録)の続き、29話をマガジンWALKERの電撃大王最新号で読めるのが今だからです。ちなみにマガジンWALKERでは1号前のバックナンバーも読めるので、この最新29話はこれから2ヶ月間、3月下旬まで読むことができます。加入するなら今しかない。月額500円! 初月無料! 電撃大王は1冊630円!

 

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 △マガジンWALKER公式でも百合漫画をピックアップ紹介していたりする

 

▽ということでやっていく。百合・百合じゃないだのの認定とかは面倒だから勘弁してくれ。あと記事としての体裁整えるためにamazonかなんかのリンク貼っておくからそれを内容の紹介に代えさせてください。

 

ヤングエース

剣姫、咲く

剣姫、咲く (3) (角川コミックス・エース)

剣姫、咲く (3) (角川コミックス・エース)

 

 

電撃G'sコミック

吸血鬼ちゃん×後輩ちゃん

乃木若葉は勇者である

乃木若葉は勇者である(1) (電撃コミックスNEXT)

乃木若葉は勇者である(1) (電撃コミックスNEXT)

 

少女☆歌劇 レヴュースタァライト オーバーチュア

コミックアライブ

 宇宙よりも遠い場所

宇宙よりも遠い場所 1 (MFコミックス アライブシリーズ)

宇宙よりも遠い場所 1 (MFコミックス アライブシリーズ)

 

あの娘にキスと白百合を

ひまわりさん

ひまわりさん (コミックアライブ)

ひまわりさん (コミックアライブ)

 

あなたの順位おしえてくださいっ

 カーグラフィティJK

カーグラフィティJK 1 (コミックアライブ)

カーグラフィティJK 1 (コミックアライブ)

 

コミックキューン

明るい記憶喪失

 ギャルとオタクはわかりあえない。

 今日も女の子を攻略した。

キリング・ミー!

世界で一番おっぱいが好き! 

コミック電撃だいおうじ

ゴブリンはもう十分に強い 

ふたつ屋根の下

 電撃大王

 やがて君になる

新米姉妹のふたりごはん

とある科学の超電磁砲外伝 アストラル・バディ

 籠の少女は恋をする

電撃マオウ

熱帯魚は雪に焦がれる

暗転エピローグ

ヤングキングアワーズGH

 アタシのセンパイ

コンプエース

ノーブルウィッチーズ 第506統合戦闘航空団

東方三月精 Visionary Fairies in Shrine.

東方三月精 Visionary Fairies in Shrine. (1) (角川コミックス)

東方三月精 Visionary Fairies in Shrine. (1) (角川コミックス)

 

ピヨ子と魔界町の姫さま

少年エース

刀使ノ巫女

刀使ノ巫女 (1) (角川コミックス・エース)

刀使ノ巫女 (1) (角川コミックス・エース)

 

 ヤングコミック

とどのつまりの有頂天

 ブラックリリィと白百合ちゃん

リリィ・システム

 

月刊コミックリュウ

推しが武道館いってくれたら死ぬ

セントールの悩み

月刊コミックフラッパー

かりん歩

北陸とらいあんぐる

北陸とらいあんぐる 1 (MFコミックス フラッパーシリーズ)

北陸とらいあんぐる 1 (MFコミックス フラッパーシリーズ)

 

月刊コミックアクション

小林さんちのメイドラゴン

うちのメイドがウザすぎる!

コミックバーズ

このはな綺譚

 ともだちごっこ

ふたりべや

▽デンシバーズでの連載だがたまにバーズ本誌に出張掲載している。

ウィングス

加瀬さんシリーズ 

あさがおと加瀬さん。 (ひらり、コミックス)

あさがおと加瀬さん。 (ひらり、コミックス)

 

FEEL YOUNG

違国日記 

違国日記 1 (フィールコミックス FCswing)

違国日記 1 (フィールコミックス FCswing)

 

 

おわり

▽マガジンWALKERで読める百合漫画の9割以上は網羅したと思う。百合漫画が載っていないので紹介していない漫画雑誌もあり、コミックビームなんかも読み放題の対象だ。『目玉焼きの黄身 いつつぶす?』は毎号楽しみにしている。

コミック誌だけでなくオタク情報誌として読んでおきたいファミ通』『電プレ』『電撃G'sマガジン』『声グラ』『ダ・ヴィンチ』『月刊ムー』など。あとは週刊誌とかファッション誌とかPC家電情報誌とか旅行誌とか。

▽これらのラインナップが読み放題で月額500円! 最強! 雑誌1冊読めばほぼ元が取れる! 今すぐ加入せよ!

 

magazinewalker.jp

 

 

2018年1月に読んだ百合漫画

 

▽最近の悩み、というか気づいたことなんですけど。自分は百合漫画を読むときに脳の女と女に関わる部分の回路が動き出すのが遅いんですよね。初見ですぐに回路がバチっとハマる生粋のアレにちょっとは近づきたいと思って毎月読んだ百合の感想書くことにしました。

▽ネタバレしまくっているのでwebで読めるやつはリンク貼っておきます。

 

『舞ちゃんの飼育日記/秋津貴央』(コミックキスカ2月号)

▽聞いたことも見たこともねえ雑誌(コンビニに行っても雑誌コーナーを見ない人間なので)におねロリが載っていると聞いて取り寄せた。

▽一人暮らしなのに料理も掃除もできないで行き倒れていた女子高生を10歳の小学生が拾って餌付けする話。父子家庭で父は家に帰れず食事代だけ置いてあるような典型的な放置児童であるところの舞と、生活能力がゼロなのに何故か一人暮らしをすることを強いられている女子高生の環という二人を取り巻く厳しい環境が努めて明るく描かれており、それが良い方向に転がっている。

▽おねロリとは言うものの、家庭環境劣悪女同士が寄り添い合う話という面が強く、年の差を恋愛的障壁とみなしてきたおねロリジャンルとは一線を画す。おねロリは難しい。

▽舞台は2000年で(作中のカレンダーや、千円札の肖像が夏目漱石になっていることから)、この年代設定は学習指導要領の変更で公立学校における土曜日の午前授業がギリギリ存在するライン。当時過半数くらいの家庭の子どもは土曜日に学校行ってお昼に帰ってきて家で母ちゃんの作るチャーハンとか焼きそばとかを食べていた。そういう時代。

▽この年代設定はストーリー上必要なことであると同時に現在では27歳の舞と33,4歳の環を連想させ、厳しい家庭環境をマイルドに感じさせる効果にも一役買っている。33、4歳の環さんは27歳の舞さんのヒモです。

▽凄く良い作品だったので、これ一本を読むために謎の漫画雑誌を買ったことに後悔はないですね。このコミックキスカは電子版もバックナンバー販売もやってないので、この機会を逃すと多分一生読めない。

 

■『ハイスピードスクールガール/高口うに』

週刊Dモーニング

▽漫画がお上手すぎる……。漫画があまりにもお上手すぎるあまりに語彙力が崩壊した。

▽今月で一番良かった。読んでください。

▽カラーページがエモすぎて泣いてしまった。いや、カラーページエモすぎないですか? みんなもカラーページがエモすぎたときは泣いた方がいいと思います。

▽高口うに先生の連載が始まったらどんな内容でも読みます……。漫画が上手すぎるので……。

 

■『宝石は微笑む/空海イサナ』

週刊Dモーニング

▽是百合!!!!!!!!!!!!!

▽石言葉の"不変"からダイヤモンドの擬人化を長命のエルフを思わせる耳の長いイメージでデザインするの、天才じゃん。

フランス革命の頃の話なので、ダイヤモンドの研磨技術がまだ未完成なんですよね。作中では光の屈折を数学的に考慮されたいわゆるダイアモンドと聞いて想像するブリリアント・カットではなく、その雛形となるマザラン・カットで描かれていて。勉強になるな~。

▽Dモーニング増刊、お上手な漫画がいっぱい載っている。

■『しまいぐらし/おたき』(ウルトラジャンプ2018年2月号)

▽小学生時点で成長の止まってしまった姉と社会人の妹の二人暮らしの話。体質のために社会から弾かれ生活面で妹に依存している姉と、しっかり者に見えて実は姉がいないと生きてる目的がなくなりそうな妹の相互依存。

▽迷子の子どもの親が出てくるときの演出のお行儀があまりよろしくない。あれ、本当になんだったんだ。

▽同じウルトラジャンプに載っている『メランコリア』っていうオムニバス漫画の2月号の回がこの漫画史上最高の人魚百合回なので絶対に読んで欲しいという気持ちあり。

■『殺人ごっこ/結野ちり』(ドラゴンエイジ2018年2月号)

▽学校一の奇人で全国レベルの秀才でもある藤崎美姫、彼女が学校で繰り返す奇行"殺人ごっこ"を咎めにきた生徒会長の葵はその殺人ごっこに付き合うことになってしまう。

▽女が女を刺して血まみれになったり女が女に火をつけたりするところが見たいんだけど、女には死んで欲しくない!!!!!!! というワガママピープルの欲望を満たすために考えられた作品。

▽作中でやっていたベンジンを使った人体発火実験参考リンク

▽藤崎さんが会長を柱に縛り付けて身動きがとれないようにしてから燃やしたのは、会長がパニックになって暴れまわると本当にヤバい火災を引き起こしてしまう可能性があるからで、流石全国レベルの秀才だな!! というわかりが起こる。

▽好きなことをしているだけで、それを誰にも咎められる権利はない、というのは作中の藤崎のセリフですが。創作において女をああしたいこうしたいというのにも誰にもそれを咎める権利などないのでこれからもどんどんやっていって欲しい。

▽別名義で描かれた「赤ずきんの殺し方」と方向性は同じまま、読者に受け入れられそうなラインを慎重に見極めているように感じられて、なんかいいよな。読み切りを追うのって。


■『アンドロイドも夢をみる/津田沼篤』(少年ジャンプ+

shonenjumpplus.com

▽自らのアンドロイド製作に行き詰まるロボットエンジニアの星香。彼女の研究所のもとに異星からの宇宙船が墜落し、中には女性型アンドロイドが入っていたという話。

▽アンドロイドが定義する幸福とか、異星文明の要素とか、アンドロイドの質量とパワーから繰り出される人間へのビンタなどがあり、プラスティック・メモリーズが好きな方におすすめです。

  

■『共鳴、そして残響/とみもと祐理』(ゲッサンmini2018冬)

comic.pixiv.net▽"普通"ではない女だから憧れていたのに、時間がその女が"普通"にしてしまったという苦しみ。沼、暗闇、夜の森という好きな短編集があるんですけど、その中の『魔少女』とか、みんな大好きなやが君とかにもある要素ですね。

▽『荒木飛呂彦の漫画術』という本で荒木先生が初連載の『バオー来訪者』を振り返って、読者を世界から弾き出してしまう嘘や間違いを描いてしまったと反省している。

 ▽この作品で言うと、逆手に握った酒瓶で父親を殴り殺すという雑な殺し方をした時点でぼくはこの漫画の世界に入り込めなくなった。だってこんなの、警察にバレるに決まっている。

▽親を殺したら刑務所には入った方がいい。

▽同窓会という一般的な社交性を持つ場所に秋月さんが現れてしかも自分を探したりしてしまったというのも絶望に拍車をかける結果になっていて良い部分でもあり、実際トモエがムショに入ったことあったらもう一生同窓会の場に出られるはずもないじゃんというアレで、ジレンマですね。

▽この読み切り企画の中で一番面白かったです。

 

 ■『アップルロード/スガワラエスコ』(YJ2018年7号)

▽陸上部のエースで女子にモテる女子である黒岩さんと新聞部の相原さん、二人は体育の時間に道端に生っていた同じ林檎の実が気になって、学校の自動販売機で最後の1本だったりんごジュースを二人で分けあう。分けあうっつーかなんつーか。イケ女!!!!!

▽短編ならではの余白の残し方でいくらでも想像が膨らむ作品で、短編かくあるべしという上手さ。例えば黒岩さんは"相原さんが同じ中学で陸上部に所属していたこと"を覚えているかどうか、という問題を提示しつつもその疑問はわからないままにされている。いや多分覚えているとは思うんだけど、でももし黒岩さんが誰にでもああいうことするイケ女だったらどうする?

▽そもそも絵柄が好きだ。相原さんの柔らかい髪束の線が好きだ。黒岩さんの黒目がちな瞳も好きだし。この漫画に出てくる女の顔面が良すぎる。

▽田舎×女子高生でもあり、最高。

▽黒髪と金髪だとかに代表される対称的なカップリングがありますが、黒岩さんと相原さんはあらゆる要素で対称であることにこだわりをもって描かれていそうで、絵面が最高最高最高。

▽ふわふわの茶髪にサラサラの黒髪、筋肉がないから寒がりで厚着してるとか、眉毛の太さ、唇の厚さ、首の長さから何から何まで気になるポイントが違う。黒岩さんのアキレス腱のくぼみは綺麗。多分相原さんにはアキレス腱のくぼみがない。

▽めちゃくちゃどうでもいい話をしますけど、「道端にりんごって生ってるものなのかな~」と思って「道端 りんご」などで検索すると道端アンジェリカの食生活情報が誤って手に入ることになり、インターネットは雑魚。インターネットは道端で実が生っている林檎の木の情報を載せろ。

▽広島とか青森とか長野とか全国いろんなとこにアップルロードはあるらしい。

 

■『少女支配/つつい』(eヤングマガジン

▽生贄投票とか食糧人類みたいにこの漫画も「今夜 深冬の父親を深冬と私たち4人で殺す」みたいなインパクトのあるコマを切り抜かれて広告にされてそこらじゅうのwebサイトに貼られるのかと思うと緊張感が出てきた。

▽死体を埋める女たちって百合なんだよな………………(まだ1話しか載っていないので雑なことしか言えませんでした……)

 

■『サブヒロイン同士、暇だから異世界で百合でもしてみましょうか』

▽いきなり関係ない話をしますけど、ぼくがなんぼかやったギャルゲーの中では唯一『アマガミ』が好きなんですけど、それが何故かというとあのゲームにはソエン(疎遠)ルートがあり、橘純一に選ばれなかった場合の女たちにそれぞれの人生があり、橘純一がいなくてもあの子たちは幸せになったりならなかったりするんですよ。

▽それを踏まえてこの作品のコンセプトは凄く好き。可能性を感じる。選ばれなかったという結果で物語が終わる女が存在するラブコメ漫画が苦手なぼくにとって。

▽属性として幼馴染がサブヒロインとして扱われるのはわかるんだけど、ミステリアスな先輩はメインヒロインの格、持ってないか。あれか、未だにメインはツンデレじゃないとダメなのか、ラノベ界。

▽ただ「百合に目覚めてみる」とかいう、2018年をその言語感覚でやっていくのか? と心配になる感じが惜しいですね。

 

■『エクレア bleue』

エクレア bleue あなたに響く百合アンソロジー

エクレア bleue あなたに響く百合アンソロジー

 

▽『エクレアblanche』のときは偶然にも多数の作品で似たテーマを取扱い、一冊の中で奇跡的にアンソロジーとしての一貫性が生まれてそこに言及することによってふんわりと何かわかったふうな、こまっしゃくれたことを言えたんですけど、今回はよくわからん。青。百合。青春。青い花

▽これ一冊で自分がどういう百合が好きなのかわかるバラエティ色の強いアンソロジーを目指しているそうだから、そういう一貫性を見出せない形が正しいのだと思う。

▽伊藤ハチ先生の描くペドファイル女漫画家がこのアンソロジーの中で人間としての解像度が一段高く、更に自分らしさという価値観に着地する赦しの話で面白い。

▽なぜペドファイル女漫画家の解像度が高いんだ……? その理由は誰にもわからんと思うが……。

▽そういえばエクレアってエクレールが語源だから"電撃"とかかってるんですってね。オシャレ~~~~~。

 

■『リヴィーツァ家の家庭教師』

seiga.nicovideo.jp
▽女が男とか女とかを殺しまくる楽しい話。女のこの部分が好き、という波長がぼくと合うので信頼感がある。

▽下着姿で煙草を吸う金髪の女がこの世で好きなものランキング1位なのでシャルロータが好きと見せかけて、本当はミィティア・ウメ組が好き。望まないまま世界を敵に回してしまう女と女がこの世で好きなものランキング1位タイだから……。

▽望むままに世界の敵になるシキブとシャルロータたちとは絶対に交わらないのがね、美しいんですよね。

▽本になるらしい。インディーズの流れ、きてるな。

 

 

 

 

ようことよしなに(1) (ビッグコミックス)

ようことよしなに(1) (ビッグコミックス)

 

 

 

 

▽『アニメは全部観ろ』というゼロ年代のネットのそこかしこに漂っていたスピリットにあてられて育ったから『百合は全部観ろ』の精神でやっていく決意を持ってはみたものの、あまりの数の多さに辟易し、どうもこれは無理筋ではないかと思い始めている。そもそも『アニメは全部観ろ』の時代にもアニメは全部観ていなかった。コードギアスとかだけを見ていた。

▽2018年、百合漫画、多すぎる。百合漫画全部読もうと思ったら生活に支障が出る。生活に支障が出るとどうなるか。生活が終わり、死活問題になるのです。

▽新規だけじゃなく既出の作品もあるし、なんなら観たことのある作品で百合として認識していなかった作品を改めて見直す必要性を最近は感じているし、百合は当然のことだが漫画だけではなく小説もアニメも映画もゲームもあり、つまり必要な時間は無限です。

▽人生という時間は限られているって知っていました? ぼくは知らなかった……百合に向き合うまでは……。

▽ということでほどほどにやっていきたい。

2017年に観た百合を思い出す - 23F,オーバーヘッド

▽年に一回の頻度だと↑の記事みたいにタイトル挙げるだけになっちゃうのでそれは嫌なんだけど、これはこれで量が多すぎて嫌になってきた。嘘です、嫌になってないです。俺は面倒くささと闘わなければならない。

▽俺はこれを一年続けるからな。

 

『いつかみのれば』がいつか辿り着く場所

 『いつかみのれば』が2巻で完結した。

 プロゲーミング業界の現状についてのキャッチアップの正確さ、嘘のなさ、ゲームに対して真摯な姿勢はあらゆるゲーム漫画の中で抜きん出ている。なぜ百合姫に載っていたのかは本当にわからない。

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 △このコマのセリフ、プロゲーミング業界に対する誠実さがにじみ出ている

  2巻あとがきにマスターズカップ編やEVO編の構想があり、最後まで辿り着くと最高に百合になる予定だった、とあるのでそのあとがきを補強できるような怪文書を作りたくなったというのがこの記事の意図です。

■各キャラのリングネーム

ミノ(揺篭みのる)=本名から。本名から2文字をとるRNはかなりオーソドックスで、鉄拳界では山佐に所属するプロの"ユウ"選手などがそうですね。

四条(谷口透)京都府四条通りが由来と思われる。親戚の格ゲーババァが京都に住んでいて、京都に遠征に行ったことから京都には縁がある。四条通りには京都の老舗ゲーセン「a-cho」があり、格闘ゲームの猛者が集うことで知られる。また、本名の谷口は東大卒プロ格闘ゲーマー"ときど"の本名、谷口一からなのでは。

ZTTアーケードゲームのハイスコア画面でのネームエントリー、英数字三文字のテンプレート*1。対人ゲームで勝つことよりゲームを楽しむこと、自分を高めることをゲームに見出す彼女らしい由来。ZTTという文字列の由来は恐らくタイトーのサウンド開発チーム"ZUNTATA"?そうだとしたら実際に作中でプレイしていた音ゲーがグルーブコースターではなくmaimaiだったことが気になるが。

XX-二代目北条政子-XX=鉄拳の有名プレイヤーにRNに二代目とつく方が何名かいるようでそこからなのでは。二代目というからには初代のXX-北条政子-XXが存在すると思われるが、何もかも不明である。名前の前後のXXは本来、他人のカードネームとの重複を回避するための飾りだが、しっかりとダブルエックス北条政子ダブルエックスと発音することにこだわりがあるようだ。このこだわりも初代との関係を匂わせる。 

  メインキャラはこの4人だった。マスターズカップは現実にも存在する鉄拳のお祭り的な5人チームの勝ち抜きレギュレーションで戦うトーナメント。格ゲーババァの逆5タテの逸話から作中のマスターズカップも5on形式の大会であることがわかるので、あと一人くらいメインキャラが増える予定だったはずだ。格ゲー、音ゲー、協力アクションと続いてきたので、次はRTSかMOBA系統のゲームをやっているキャラが考えられる。ミノにWLW三国志大戦をやらせようとするキャラクターが登場する未来もあったのかもしれない……。

■四条と回収されなかった伏線

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 △単行本1巻第1話より

 2巻をもって終了した『いつかみのれば』ですが、打ち切り作品にもれなくついてくる未回収伏線のうち、最も巨大なものがコレだと思う。

 第1話で、"EVO壇上に居た謎の女性プレイヤー"(以下EVO女)を話題にした途端、険しい表情に。

 その直後、初心者相手に先制攻撃を仕掛けたり、ミノが初心者らしからぬガードテクニックを見せることに苛立ち、

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 △格ゲー界隈で話題になったコマ

 と、初心者をハメで殺してしまうほど我を失ってしまいます。

 このEVO女に対する伏線は最終話まで張り続けられ、

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 格ゲーババァとの会話の中で出てくる"本当に勝ちたい相手"、自らがプロを志す理由をミノに話すときの回想に出る"負けたくない相手"、幼少時の四条が見つめる背中がその相手であると考えられます。

 恐らく四条はEVO女と近しい関係にあり、EVO女に憧れてゲームを始めるようになったと考えていいでしょう。四条がミノに言った「私があなたを世界で2番目にしてあげる」というセリフも、かつて四条がEVO女に言われたセリフなのではないでしょうか。

  1話終盤でミノにラスベガスに引っ越すことを告げられた四条がEVOの映像を見ながら「ラスベガス……」とポツリと呟くのも意味深です。後日四条はミノを抱きしめて「行かないで」と強い言葉で引き止めます。これは過去にEVO女との関係で同じような出来事があったのではないかと考える。

 ■四条の設定を推測したもののまとめ

  • 四条はEVO女をきっかけにゲームを始めた
  • 「世界で2番目にする」という約束で四条はEVO女から指導を受けていた
  • その約束は果たされないままEVO女は四条のもとを去る
  • EVO女は国内で賞金稼ぎを中心にしたプロ活動が難しいことから海外に拠点を移した?
  • その拠点がラスベガスもしくはアメリカ?
  • 約束を反故にされた四条はプロになってEVO女を倒すことを志す

■EVO女って何者

 EVO女と四条の関係性によってストーリーの百合振れ幅が変わってくる気がします。

 もしEVO女が四条の姉であるなら、四条は姉をきっかけにゲームの世界に足を踏み入れるも、憧れていた姉に裏切られ、離れ離れに暮らすことを余儀なくされる。四条は人間の限界に近い超反応の才能を持つ初心者のミノを仲間に引き入れいつか姉を倒し自分のことを認めさせたい、というストーリーで、これはアクセル・ワールドですね。そして姉妹百合ルートです。

 次に四条とは知り合いだが血縁関係はない場合。四条がゲームを始めた目的が憧れの人であるEVO女に近づくためだった、ということも考えられます。ただその目的だけで始めて元々さして興味を持っていたわけではない格闘ゲームが、いつしか自分とは切り離せない何よりも大切なものになっていた。これはスラムダンクですね。

 巷の『いつかみのれば』についての感想を見ていると「百合が足りなかった」というのが散見されるんですが、ミノが四条に一目惚れしてゲームを始めるスラムダンクだったら百合とゲームのバランスが良いじゃないかな……と漠然と思ったりもしたのですが、すでに四条がEVO女に一目惚れしてゲームを始めていたスラムダンクだった可能性があり、『いつかみのれば』のポテンシャルを感じざるを得ないです。

 どっちでもいいと思いますけど、EVO女非血縁説の方がぼく好みの百合に振れているのでそっちの方が好きかなと思っています。

 根拠ではないですけど、四条の本名が"ときど"から由来しているのならば、EVO女のモデルは"ウメハラ"でしょう。こうなると非血縁説を推したくなる。

■最後に辿り着く場所はラスベガス

  EVOの開催地、ラスベガスのあるネバダ州は同性婚OK。

 いや、自分でもなんでこれを書いているかよくわからんのですが、ラスベガスって同性婚できそうだよなって思ったらできるそうなので書いていた。わからん。

 少し話を変えるが、格闘ゲームと恋愛の話をしたい。本当に全然関係ない長い話をする。

 これは少し前まで巷に蔓延っていたの言説なのだが、格闘ゲーマーは彼女が居ない方が強いというものがある。

 そもそもゲーセン自体が体育会系からあぶれた男たちのホモソ空間であり、女に対して排他的な部分があるのだが。*2 その極地が彼女いるやつは弱いだ。

 彼女に意識を割いているやつはゲームをやり込めていないフェイク。女を手マンした指でボタンを擦るな、など格闘ゲームプレイヤーは彼女がいるプレイヤーに厳しい時代があった。

 思い出すとこんなこともあった。

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 △現在はG-tuneからスポンサードを受けるプロ選手のかずのこ

 これは豚劇2013というイベントで彼女持ちのプロゲーマー"ももち"と当時彼女がいなかったアマチュアの"かずのこ"の対戦が行われたときの予告PVで、煽りの部分のキャプ画像だ。

 彼女いるやつには負けたくない、あいつらは弱いという空気があったことがよくわかる。

 そして実際の対戦の結果についてなのだが、5本先取形式の対戦で試合はももちが5-2で勝ち、かずのこは壊されてしまった。

 これがきっかけというわけではないが、ゼロ年代にみんなが持っていた漠然とした幻想はもう砕かれている。みんな気づいている。強いってのは彼女がいるとかいないとか、時間があるとかないとか、学生とか社会人とかニートとかそんなことじゃないって。どれだけ真剣にゲームに向き合ってるかだって。そしてそれは時間や恋人の有無で計れるものではないって。

 更にそれを後押しする風潮が最近はあって、どうやらプロゲーマーは結婚するとむしろ強くなってしまうらしい。

shibuya-game.com

 

 ここまで長々とした話で何が言いたいかというと、こうなって欲しい。

  1. プロになった四条とミノがラスベガスに行く
  2. ラスベガスで結婚する
  3. EVO優勝できる

 こういうプロセスを経ていつかみのればは完結する予定だったらめちゃくちゃ嬉しい。EVO女との決着がつき、最高に百合になる。ぼくは"コレ"見たかったなァ~~~。

■おわり

 こんなにぼくが楽しめそうな展開が色々と待っていたのに惜しくも終了してしまった『いつかみのれば』ですが。

 e-sports業界は闘会議での各種ゲームでのプロライセンス発行問題*3や、シャドウバースでの世界大会賞金1億円などのトピック、そしてあの週刊少年ジャンプでさえe-sportsを題材にした微妙な漫画を載せるまでに至り、世はまさにe-sports激動の時代。

 この時代の一部分である格闘ゲームジャンルを誇張なく正確に切り取った漫画として『いつかみのれば』は本当に良い漫画だった。

 西あすか先生の次回作がどうなるかはわかりませんが、ぼくはまたゲームを題材にした漫画であることを望んでいる。

 ぼくの要望としましては、サイゲームスは自前のe-sportsチームまで持ってるんだから今すぐ西あすか先生にサイコミで本格e-sports漫画を描いてもらえるようにオファーをしろ。カードゲームしよ子とブシロードに遠慮するな。

 ZTTはスマホでハースストーンをプレイしている場合ではない。大会賞金1億円のシャドウバースをやれ。

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いつかみのれば: 1 (百合姫コミックス)

いつかみのれば: 1 (百合姫コミックス)

 
いつかみのれば: 2 (百合姫コミックス)

いつかみのれば: 2 (百合姫コミックス)

 

 

 

*1:ゲームセンターCXで毎回有野課長がSEXって入れてるやつ

*2:ZTTがゲーセンでは必ずフードを目深に被って顔を見えにくくしているのは自らを"ゲーセンの姫化"したくないという理由があるとぼくは思っている

*3:この問題に対する四条の見解と結論は絶対に見たかった。ぼくの予想では多分蹴ると思うが